ビッグブックは性について何と言っていますか?
このページのAAの文献からの引用のうち、12のステップ、12の伝統(短いものと長文のもの)、12の概念の短いかたち、AAの序文は、AA日本ゼネラルサービス(JSO)が公開している日本語です。ビッグブックの本文、祈り、12の概念の長いかたち、そのほかのAAの文献や歴史書からの引用の日本語は、AAの英語の原文からの私たちの翻訳で、AAが出版した日本語訳ではありません。英語で読む
ひとことで言うと:
- 主な箇所は、第5章の性の棚卸し(68~70ページ)です。この箇所は、誰に対しても基準を定めません。「私たちは、誰かの性的な行為の審判者になりたくはない。」(69ページ)それぞれの関係に当てるテストは、「それは利己的だったか、そうでなかったか」です(69ページ)。
- 性は、それ自体がよいものとして扱われています:「私たちの性の力は神から与えられたものであり、したがってよいものである。軽々しく、あるいは利己的に用いるべきものでも、軽蔑し忌み嫌うべきものでもない。」(69ページ)一人ひとりが神の助けを得て理想を形づくり、「私たちの性の状況を裁くことができるのは、神だけである。」(69ページ)
- 理想に届かなかったからといって、それだけで飲むことになるわけではありません(「それは私たち次第であり、私たちの動機次第である」、70ページ)。申し訳なく思い、よりよくなりたいと望むなら、「私たちは許されると信じている」(70ページ)。申し訳なく思わず、他の人を傷つけ続けるなら、「私たちは間違いなく飲むことになる」(70ページ)。性のことがとてもやっかいなときは、「私たちは、いっそう力を込めて他の人を助けることに身を投じる」(70ページ)。
- 性は、恨みの棚卸し(64~65ページ)、不倫についての埋め合わせ(80~82ページ)、そして飲酒をやめたあとの性的不能についての率直な一節(134ページ)にも出てきます。
性の棚卸し(68~70ページ)
この箇所は恐れの棚卸しのあとに続き、こう始まります:「さて、性についてである。私たちの多くは、その面を総点検する必要があった。」(68ページ)以下、順に見ていきます:
1. 分別を保ち、論争の外にいる。「だが何よりも、私たちはこの問題について分別をもつよう努めた。」(68ページ)本は、意見が「ばかげた両極端」に走っていると述べています(68ページ)。一方は性を「私たちの下等な本性の情欲」と呼び(68ページ)、もう一方は「性を、そしてもっと性を」と叫びます(69ページ)。「ある流派は人に食事の味わいを一切許さず、もう一方は私たち全員に、唐辛子だけの食事をさせようとする。」(69ページ)その答えは:「私たちは、この論争から離れていたい。」(69ページ)「私たちには誰にでも性の問題がある。なければ、人間とはいえないだろう。」(69ページ)
2. 自分自身の行いを見つめる。問いは、規則についてではなく、私たちが人をどう扱ったかについてのものです(69ページ):
- 「私たちはどこで、利己的で、不正直で、あるいは思いやりがなかったか?」(69ページ)
- 「私たちは誰を傷つけたか?」(69ページ)
- 「私たちは、不当に嫉妬や疑いや苦々しい思いを引き起こしたか?」(69ページ)
- 私たちはどこで間違っていたのか、代わりにどうすべきだったのか。(69ページ)
「私たちはこれをすべて紙に書き出し、それをながめた。」(69ページ)
3. 理想を形づくる。「このようにして私たちは、将来の性生活について、正気で健全な理想を形づくろうとした。」(69ページ)それぞれの関係に、ひとつのテストが当てられました:「それは利己的だったか、そうでなかったか。」(69ページ)私たちは、神が私たちの理想を形づくり、それにふさわしく生きる助けをしてくださるよう求め(69ページ)、性の力が「神から与えられたものであり、したがってよいものである」ことを心にとどめます(69ページ)。
4. その理想に向かって成長し、埋め合わせをする。「私たちの理想がどのようなものになろうと、私たちはそれに向かって成長する意志をもたなければならない。」(69ページ)害を及ぼした相手には、「そうすることで、さらに害を及ぼすことにならない限り」埋め合わせをする意志をもたなければなりません(69ページ)。「言いかえれば、私たちは性を、他のどんな問題とも同じように扱う。」(69ページ)黙想のなかで、それぞれの具体的なことについて神に何をすべきかを尋ねます:「それを望むなら、正しい答えは来る。」(69ページ)
5. 誰が裁くのか。「私たちの性の状況を裁くことができるのは、神だけである。」(69ページ)「人に相談するのはしばしば望ましいが、最終的な裁き手は神にゆだねる。」(69~70ページ)「私たちは、性について、他の人が奔放であるのと同じくらい熱狂的になる人がいることを認識している。私たちは、ヒステリックな考えや助言を避ける。」(70ページ)
6. つまずいたら。理想に届かなければ、酒を飲むことになるのでしょうか。「そう言う人もいる。だが、それは半分しか真実ではない。」(70ページ)「それは私たち次第であり、私たちの動機次第である。」(70ページ)申し訳なく思い、神が私たちをもっとよいものへ導いてくださることを正直に望むなら、私たちは許され、教訓を学んだのだと信じます(70ページ)。「申し訳なく思わず、私たちの行いが他の人を傷つけ続けるなら、私たちは間違いなく飲むことになる。」(70ページ)「私たちは理屈を述べているのではない。これらは私たちの経験からくる事実である。」(70ページ)
7. まとめ。「性についてまとめると、私たちは、正しい理想のために、疑わしいと思われる状況のひとつひとつにおける導きのために、正気のために、そして正しいことを行う力のために、心から祈る。」(70ページ)「性のことがとてもやっかいなときは、私たちはいっそう力を込めて他の人を助けることに身を投じる。」(70ページ)その人たちの必要を思うことは、「私たちを自分自身から連れ出してくれる。従えば心の痛みを招くようなときの、威圧的な衝動を静めてくれる。」(70ページ)
恨みの棚卸しのなかの性(64~65ページ)
本来の性の棚卸しに入る前から、性は、恨みが守ろうとするもののひとつとして現れます。なぜ怒っていたのかを問うと、たいていは「私たちの自尊心、財布、野心、(性を含む)私的な人間関係が傷つけられたか、脅かされた」からでした(64~65ページ)。恨みのリストは、「干渉されたのは、私たちの個人的な、あるいは性の関係だったのか?」と問います(65ページ)。65ページの本の見本リストには、「私の…に影響する」の欄に「性の関係」が何度か出てきます。参照:ビッグブックはステップ4をどのように行うよう述べていますか?
不倫と埋め合わせ(80~82ページ)
第6章は、「宣伝されたくはないようなやり方で女性たちと関わっていた」男性を取り上げています(80~81ページ)。「この点で、アルコホーリクが他の人々より根本的にずっと悪いかどうかは疑わしい。だが、飲酒が家庭での性の関係を複雑にするのは確かである。」(81ページ)妻に打ち明けるべきかどうか、そして相手の名を出さないことについての助言は、経験として示されています:「私たちは、いかなる種類の規則も定めたくない」(81ページ)。参照:ステップ9の「その人たちやほかの人を傷つけない限り」とは、どういう意味ですか?(配偶者に浮気を打ち明けるべきですか?)
第9章は、互いの「情事」を許し合った夫婦が、それをときに蒸し返してしまったと付け加え(124ページ)、「何か良い、役に立つ目的が果たされるのでない限り、過去の出来事は話題にしないほうがよい」と述べています(125ページ)。
飲酒をやめたあとの性的不能(134ページ)
第9章には、短く実際的な一節があります:「性の関係について一言。」(134ページ)アルコールは一部の男性にとって性的な刺激があまりに強く、「彼らは度を過ごしてきた」(134ページ)。そして夫婦が、「飲むのをやめると男性が性的不能になりがちである」ことを知って落胆することもあります(134ページ)。この経験をしたメンバーもいましたが、「それでも数か月後には、これまでになくすばらしい親密さを味わった」のです(134ページ)。「その状態が続くなら、ためらわずに医師や心理学者に相談するべきである。」(134ページ)
本が言っていないこと
プログラムの本文(1~164ページ)には、許される性的行為や禁じられた性的行為の一覧はなく、性的指向についての記述もありません。英語で「homosexual」「gay」「chastity」「purity」を検索しても、何も見つかりませんでした。(「gay」は古い意味でしか出てきません。ホテルのバーの「陽気な連中」のように、154ページ)オックスフォード・グループの「絶対的な純潔」もビッグブックにはありません。参照:「4つの絶対基準」とは何でしたか?ビッグブックにありますか?第4版(2001年)の物語のひとつ「綱渡り」は、ゲイのメンバーによるもので、AAのサービスの役目のなかで「自分の性的な面を隠したり否定したりしなければならないと感じたことは一度もない」と書いています(367ページ)。それはひとりのメンバーの経験であり、プログラムの教えではありません。
のちの歴史(日付つき)
1957年、ビルは、初期のグループにとって再飲酒(スリップ)に次ぐ「次の大きな恐怖」は「境界を越えた恋愛、よく知られた三角関係」だったと書いています(『アルコホーリクス・アノニマス 成年に達する』、1957年)。グループ全体が大騒ぎになり、飲んでしまう人もいましたが、やがて「私たちは、自分たちの性の問題が他の社会より多くはなく、むしろ少ないかもしれないという事実に、ついに気づいた」のです(『アルコホーリクス・アノニマス 成年に達する』、1957年)。そうした状況は、忍耐と親切をもって向き合えば、たいていおのずと収まった、と彼は書いています(『アルコホーリクス・アノニマス 成年に達する』、1957年)。参照:「13番目のステップ」とは何ですか?
自分で読む
- 第5章「どうやればうまくいくのか」(英語版64~65ページ、68~70ページ):https://www.aa.org/sites/default/files/2021-11/en_bigbook_chapt5.pdf
- 第6章「行動に移す」(英語版80~82ページ):https://www.aa.org/sites/default/files/2021-11/en_bigbook_chapt6.pdf
- 第9章「家族、その後」(英語版124~125ページ、134ページ):https://www.aa.org/sites/default/files/2021-11/en_bigbook_chapt9.pdf
- これらの本の全文は、AAワールドサービス社が販売しています:https://onlineliterature.aa.org
出典
| 出典 | ページ | 日付 |
|---|---|---|
| 英語版『Alcoholics Anonymous』、第5・6・9・11章 | 64–65, 68–70, 80–82, 124–125, 134, 154 | 1939 |
| 「綱渡り」(あるメンバーの物語) | 367 | 第4版(2001年) |
| 『アルコホーリクス・アノニマス 成年に達する』(伝統1の講演) | — | 1957 |
Recovery Startsは独立した団体で、アルコホーリクス・アノニマスとは提携していません。引用は短く、出典を示しています。ビッグブックの著作権はA.A. World Services, Inc.にあります。
これらのページは、AAが自ら出版した文献を全文読んだうえで、AAについての質問に答えるものです。引用はすべて、出典のページの英語の原文と一字一句照らし合わせて確認しています(日本語訳は私たちによるものです)。Recovery Startsは独立した団体で、アルコホーリクス・アノニマスとは提携していません。私たちが読んだもの、そして各資料がいつ書かれたか。