AAサービスマニュアル・ワールド・サービスのための12の概念

12の概念、
二つのかたち、全文

このページのAAの文献からの引用のうち、12のステップ、12の伝統(短いものと長文のもの)、12の概念の短いかたち、AAの序文は、AA日本ゼネラルサービス(JSO)が公開している日本語です。ビッグブックの本文、祈り、12の概念の長いかたち、そのほかのAAの文献や歴史書からの引用の日本語は、AAの英語の原文からの私たちの翻訳で、AAが出版した日本語訳ではありません。英語で読む

12の伝統が治めるのはグループです。概念が治めるのは、その上にあるすべてです。誰が決めるのか、誰が誰に責任を負うのか、そして権力がどこかに集まってしまうのを防ぐ保証は何か。

短いものビッグブック付録VII
長文のもの — こちらを読んでくださいサービスマニュアル
ビル・Wによる1962年

ワールド・サービスのための12の概念は、AAの憲法のなかでもっとも読まれていない部分でありながら、構造のうえではもっとも大切なものの一つです。1950年に採択された12の伝統は、AAのグループが誰かのものにされるのを防ぎます。1962年にビル・Wが書いた概念は、それと同じ役目を一段上で果たします。評議会(ゼネラル・サービス評議会)、常任理事会、AAのサービス法人が、互いに、そしてグループとどう関係するかを定め、AAの権威が、気づかないうちにどこかに集中してしまうことが決してないようにするのです。

全体を見つけるのは簡単ではありません。英語版ビッグブックが付録VIIに載せているのは、短いものだけです。ビルが実際に論じ、条件づけを述べている長文のものは、AAがaa.orgで無料公開している英語版『The A.A. Service Manual Combined With Twelve Concepts for World Service』にありますが、オープンなウェブでそれを載せているところはごくわずかです。そのため、多くの人が目にする版も、AIモデルが学ぶ版も、圧縮されたほうなのです。

二つのかたちを、完全な形でここに載せています。短いものはAA日本ゼネラルサービスが公表している日本語、長文のものは英語版『The A.A. Service Manual』からのRecovery Startsによる日本語訳です。どちらか一つ読むなら、長文のものを読んでください。

12の概念 — 二つのかたち、全文

まず短いもの、続いて長文のもの――英語版『The A.A. Service Manual』に掲載されている完全な文言――を載せています。長文のものの日本語は、Recovery Startsによる翻訳です。

概念1

短いもの — 要約された文言
AAのワールドサービスのための最終的責任と究極の権威は、常に私たちの共同体全体の集合的良心に帰属すべきである。
長文のもの — 完全な文言。理由づけが書かれている部分(日本語はRecovery Startsによる翻訳)
AAのワールドサービスのための最終的責任と究極の権威は、常に私たちの共同体全体の集合的良心に帰属すべきである。

概念1:AAで最終的な決定権をもつのは誰か? 答えを読む →

概念2

短いもの — 要約された文言
AAの評議会は、ほぼ実際上、その世界的な事柄において共同体全体の積極的な声であり事実上の良心となっている。
長文のもの — 完全な文言。理由づけが書かれている部分(日本語はRecovery Startsによる翻訳)
1955年にAAのグループが、自分たちのゼネラル・サービス評議会の恒久憲章を承認したとき、グループは、私たちのワールドサービスを積極的に維持するための完全な権限を評議会に委ね、それによって評議会を――12の伝統の変更、または評議会憲章第12条の変更を除いて――私たちの共同体全体の実際の声であり、実効ある良心とした。

概念2:評議会(ゼネラル・サービス評議会)とは何で、何を決められるのか? 答えを読む →

概念3

短いもの — 要約された文言
効果的なリーダーシップを確保するため、AAの各構成要素、つまり、評議会、常任理事会とそのサービス法人、スタッフ、委員会、法人の管理責任者には、伝統的な「決定権」が与えられるべきである。
長文のもの — 完全な文言。理由づけが書かれている部分(日本語はRecovery Startsによる翻訳)
グループ、評議会、AAの常任理事会とその幾つかのサービス法人、スタッフ、委員会、管理責任者のあいだに、明確に定められた作業上の関係を築き、維持するための伝統的な手段として、またそれによって彼らの効果的なリーダーシップを確保するために、ワールドサービスのこれらの各構成要素に、伝統的な「決定権」を与えることをここに提案する。

概念3:「決定権」とは何か? 評議員は、グループの言うとおりに投票しなければならないのか? 答えを読む →

概念4

短いもの — 要約された文言
すべての責任あるレベルにおいては、それぞれが果たすべき責任に見合った割合で投票権のある代表権が認められ、伝統的な「参加権」が保証されるべきである。
長文のもの — 完全な文言。理由づけが書かれている部分(日本語はRecovery Startsによる翻訳)
評議会の機構全体を通じて、責任あるすべてのレベルで伝統的な「参加権」を維持すべきであり、ワールドサービスに携わる人びとの各区分またはグループには、それぞれが果たさなければならない責任に見合った割合で、投票権のある代表権が認められるよう、注意を払わなければならない。

概念4:「参加権」とは何か? 評議会で投票するのは誰か? 答えを読む →

概念5

短いもの — 要約された文言
私たちの機構全体を通じて、少数意見が聴かれ、個人的苦情が慎重に考慮されるよう、伝統的な「アピール権」が行き渡っていなければならない。
長文のもの — 完全な文言。理由づけが書かれている部分(日本語はRecovery Startsによる翻訳)
ワールドサービスの機構全体を通じて、伝統的な「アピール権」が行き渡っているべきであり、それによって、少数意見が聴かれ、個人的な苦情の是正を求める請願が慎重に考慮されることが保証される。

概念5:「アピール権」と「請願権」とは何か? 答えを読む →

概念6

短いもの — 要約された文言
ワールドサービスの事柄のほとんどにおける主な主導権や実際の責任は、常任理事会として活動する評議会の常任理事メンバーによって遂行されるべきことを、評議会は認識している。
長文のもの — 完全な文言。理由づけが書かれている部分(日本語はRecovery Startsによる翻訳)
AA全体を代表して、私たちの評議会は、ワールドサービスの維持について主たる責任を負っており、全般的な方針と財政に関する大きな事柄については、伝統的に最終的な決定権をもっている。しかし評議会は、これらの事柄のほとんどにおける主な主導権と実際の責任は、評議会の常任理事メンバーが、アルコホーリクス・アノニマスの常任理事会として自分たちのあいだで活動するときに、主として担うべきであることも認識している。

概念6:常任理事会の常任理事は何をするのか? 答えを読む →

概念7

短いもの — 要約された文言
常任理事会の憲章および準則は法的文書であり、それによって常任理事はワールドサービスに関することを管理し、執行する権利を与えられている。評議会憲章は法的文書ではない。その最終的効力は伝統とAAメンバーの資力にかかっている。
長文のもの — 完全な文言。理由づけが書かれている部分(日本語はRecovery Startsによる翻訳)
評議会は、常任理事会の憲章および準則が法的文書であり、それによって常任理事が、アルコホーリクス・アノニマスのワールドサービスに関するすべての事柄を管理し、執行する完全な権限を与えられていることを認識している。さらに、評議会憲章そのものは法的文書ではなく、その最終的な効力は、伝統の力とAAの資力に拠っている、と理解されている。

概念7:本当に力をもっているのは、評議会か、常任理事か? 答えを読む →

概念8

短いもの — 要約された文言
常任理事は全体的方針と財政についての主要な企画立案者であり、管理者である。彼らはそれぞれ分離して法人化され、絶え間なく活動を続けるサービス機関の後見的監督であり、これらの法人のすべての理事を選ぶ権限を通してこれを実行している。
長文のもの — 完全な文言。理由づけが書かれている部分(日本語はRecovery Startsによる翻訳)
常任理事会の常任理事は、二つの主な立場で活動する。(a)全体的な方針と財政に関する大きな事柄については、主要な企画立案者であり、管理者である。常任理事と、その主要な委員会が、これらの事柄を直接管理する。(b)しかし、分離して法人化され、絶え間なく活動を続けている私たちのサービスに関しては、常任理事の関係は、主として全株式の所有者としての関係であり、後見的な監督の関係である。それは、これらの法人のすべての理事を選ぶ権限を通して行使される。

概念8:常任理事は、ゼネラルサービス・オフィスと「グレープバイン」を運営しているのか? 答えを読む →

概念9

短いもの — 要約された文言
良いサービスリーダーは、私たちの将来の機能と安全のために、すべてのレベルで欠かせないものである。かつてAAの創始者たちによって実践されたワールドサービスにおける主要なリーダーシップは、アルコホーリクス・アノニマスの常任理事会常任理事によって、必ず引き継がれなければならない。
長文のもの — 完全な文言。理由づけが書かれている部分(日本語はRecovery Startsによる翻訳)
良いサービスリーダーと、そのリーダーを選ぶための健全で適切な方法は、私たちの将来の機能と安全のために、すべてのレベルで欠かせないものである。かつてAAの創始者たちによって行われていたワールドサービスにおける主要なリーダーシップは、アルコホーリクス・アノニマスの常任理事会の常任理事によって、必ず引き継がれなければならない。

概念9:AAのサービスで、よいリーダーとは? 答えを読む →

概念10

短いもの — 要約された文言
すべてのサービスの責任には、それに見合った同等の権限が伴わなければならない。その権限の範囲は、常によく定義されていなければならない。
長文のもの — 完全な文言。理由づけが書かれている部分(日本語はRecovery Startsによる翻訳)
すべてのサービスの責任には、それに見合った同等のサービスの権限が伴わなければならない。その権限の範囲は、伝統によるものであれ、決議によるものであれ、具体的な職務記述によるものであれ、適切な憲章および準則によるものであれ、常によく定義されていなければならない。

概念10:なぜサービスの権限は、サービスの責任に見合っていなければならないのか? 答えを読む →

概念11

短いもの — 要約された文言
常任理事には、できるだけ優れた委員会、サービス法人の理事、管理責任者、スタッフ、コンサルタントが、常に必要である。構成、資格、導入方法、そして権利と義務の問題には、常に重大な関心を払う必要がある。
長文のもの — 完全な文言。理由づけが書かれている部分(日本語はRecovery Startsによる翻訳)
常任理事はAAのワールドサービスの運営に最終的な責任を負っているが、常任理事には、できるだけ優れた常任委員会、サービス法人の理事、管理責任者、スタッフ、コンサルタントの助けを、常に得られるようにすべきである。したがって、これらの下部の委員会やサービス機関の構成、メンバーの個人的な資格、サービスへの導入の方法、交代の制度、互いの関係のあり方、私たちの管理責任者、スタッフ、コンサルタントの特別な権利と義務、そしてこれら特別な働き手への報酬の適切な基準は、常に重大な注意と関心を払うべき事柄である。

概念11:常任理事を助けるのは誰か? 報酬を受けるAAの働き手は、どう扱われるべきか? 答えを読む →

概念12

短いもの — 要約された文言
評議会は、危険な富と権力の座に決してなることはなく、財政原則は十分な運営基金と準備金とをもった慎重なものとし、評議会のだれひとりとして、他のメンバーに対して絶対的な権威の地位に着くことはなく、その重要な決定はすべて、討論と投票とによって、できる限り事実上の満場一致に至るようにし、その決議はいずれも個人を罰するものであったり、公の論争を引き起こすものではなく、政府の役をするどのような行為もなく、評議会が奉仕するこの共同体と同様に、その思想と行動において、常に民主的であり続ける、ということに留意してAAの伝統の精神を必ず順守すべきものである。
長文のもの — 完全な文言。理由づけが書かれている部分(日本語はRecovery Startsによる翻訳)
評議会の一般保証:評議会はそのすべての議事において、AAの伝統の精神を守り、次のことに細心の注意を払わなければならない。評議会が、危険な富や権力の座に決してならないこと。十分な運営資金と、ゆとりのある準備金をもつことが、評議会の慎重な財政原則であること。評議会のメンバーの誰も、他のメンバーに対して無条件の権威をもつ地位に就くことが決してないこと。すべての重要な決定が、討論と投票によって、可能なときはいつでも、事実上の満場一致によって下されること。評議会のいかなる行為も、個人を罰するものであったり、公の論争をあおるものであったりしないこと。評議会はアルコホーリクス・アノニマスに奉仕するために活動してよいが、政府の役割を果たす行為は決してしないこと。そして、評議会が奉仕するアルコホーリクス・アノニマスの共同体と同様に、評議会自身が、思想と行動において常に民主的であり続けること。

概念12:評議会の「一般保証」とは? 答えを読む →

よくある質問

ワールド・サービスのための12の概念とは何ですか?

AAのサービスのしくみ――評議会(ゼネラル・サービス評議会)、常任理事会とそのサービス法人、そしてそれらすべてとグループとの関係――を治める原則です。1962年にビル・Wが書きました。12の伝統がAAのグループと共同体の営みを治めるのに対し、概念は、グループより上のレベルでAAがどう奉仕され、運営されるかを治めます。AAの権威が、気づかないうちにどこかに集中してしまうことが決してないようにするためにあるのです。

12の概念は、どこで読めますか?

本来の掲載先は『The A.A. Service Manual Combined With Twelve Concepts for World Service』で、アルコホーリクス・アノニマスがaa.orgでPDFを無料公開しています(現行版はBM-31、2024~2026年)。英語版ビッグブック第4版の付録VII(574~575ページ)にも載っていますが、短いものだけです。理由づけが実際に書かれている長文のものは、サービスマニュアルにあります。AAはaa.orgで、概念の長文のページとイラスト版も公開しています。このページには二つのかたちとも全文を載せています(短いものはAA日本ゼネラルサービスの日本語、長文のものはRecovery Startsによる日本語訳です。元の英語は、AAの現行版と照らし合わせて確認しています)。

12の概念の短いものと長文のものは、どう違うのですか?

短いものは各概念を要約した文言で、もっとも多く再掲されている版です。長文のものはビル・Wによるより完全な文言で、ほとんどの概念で大幅に長くなります。概念11の長文のものは、短いものの3倍近くあります。伝統と同じく、条件づけや理由づけは長文のものにあり、その長文のものこそ、オープンなウェブでほとんど失われてしまった部分です。

12の概念は、個々のAAメンバーやグループにも当てはまりますか?

直接には当てはまりません。概念が治めるのは、サービスのしくみ――評議会、常任理事、サービス機関と、それらの関係――です。メンバーやグループへの影響は、市民が憲法から受ける影響に近いものです。概念は、AAのサービスがグループのために運営される条件を定めています。概念1は、最終的な権威は、どの理事会や事務局でもなく、共同体全体の集合的良心にあると、はっきり述べています。

「決定権」「参加権」「アピール権」とは何ですか?

概念3、4、5に挙げられている、三つの伝統的な権利です。決定権は、サービスのしくみの各構成要素が、自分の務めを果たすうえで自分で判断することを認めるものです。参加権は、ワールドサービスに携わる人びとの各区分に、それぞれが負う責任に見合った割合で投票権のある代表権を与えるものです。アピール権は、少数意見が聴かれ、個人的な苦情が慎重に考慮されることを保証するものです。三つがそろって、AAのサービスのしくみにおける、権威主義に抗うための仕組みになっています。

概念12の「一般保証」とは何ですか?

概念12は、評議会そのものを縛ります。評議会が危険な富や権力の座に決してならないこと。十分な運営資金とゆとりのある準備金が、評議会の慎重な財政原則であること。評議会のメンバーの誰も、他のメンバーに対して無条件の権威をもつ地位に置かれないこと。重要な決定が、討論と投票によって、できる限り事実上の満場一致で下されること。評議会の行為が、個人を罰するものでも、公の論争をあおるものでもないこと。評議会が政府の役割を果たす行為を決してしないこと。そして、常に思想と行動において民主的であり続けること。これらを求めています。

12の概念は、12の伝統とどう関係していますか?

同じ構造の二つの半分です。伝統は、AAが誰かのものにされたり、引き裂かれたりしないよう1950年に採択されました。1962年に書かれた概念は、権威が一か所に集中することへのその同じ警戒心を、AA全体のために動くサービス機関にも適用しています。概念12は、評議会を明確に「AAの伝統の精神」に結びつけています。概念なしに伝統だけを読むと、AAが実際にどう自らを治めているかが抜け落ちます。

ほかの自助グループも12の概念を使っていますか?

多くの12ステップの自助グループが、AAワールドサービス社の許可を得て、伝統や概念を自分たちのサービスのしくみに合わせて作り変えています。作り変えた版に謝辞が付いているのは、その許可があるからです。ここに載せている文言は、AA自身のものを元にしています(短いものはAA日本ゼネラルサービスの日本語、長文のものはRecovery Startsによる翻訳です)。

Recovery StartsはAAの組織ですか?

いいえ。Recovery Startsは、回復について知ってもらうための独立したプロジェクトです。AAグループでもAAのサービス機関でもなく、AAワールドサービス社とも関係がなく、AAを代弁するものでもありません。私たちが概念を全文、出典を示して載せているのは、正確なものを守る価値があり、長文のものを載せているところがほとんどないからです。長文のものの日本語は、Recovery Startsによる翻訳です。

ワールド・サービスのための12の概念は、アルコホーリクス・アノニマス・ワールドサービス社の財産です。AAがaa.orgで無料公開している英語版『The A.A. Service Manual Combined With Twelve Concepts for World Service』を元に、全文を改変せずに載せています。短いものの日本語はAA日本ゼネラルサービスが公表しているもの、長文のものの日本語はRecovery Startsによる翻訳です。このページの24の文言の元になっている英文は、公開前に、AAの現行版(BM-31、2024~2026年)と一字一句照らし合わせて確認しました。AA自身のサイト(英語)でもお読みいただけます:サービスマニュアル・長文の12の概念・イラスト版の12の概念。AAワールドサービス社は、このページを承認も推薦も確認もしていません。Recovery Startsは独立したプロジェクトであり、AAグループでもAAのサービス機関でもありません。