ビッグブックから

ビッグブックの恐れの棚卸し

このページのAAの文献からの引用のうち、12のステップ、12の伝統(短いものと長文のもの)、12の概念の短いかたち、AAの序文は、AA日本ゼネラルサービス(JSO)が公開している日本語です。ビッグブックの本文、祈り、12の概念の長いかたち、そのほかのAAの文献や歴史書からの引用の日本語は、AAの英語の原文からの私たちの翻訳で、AAが出版した日本語訳ではありません。英語で読む

ビッグブックは、私たちの恐れをどう見直させ、その代わりに何を差し出しているか。

ビッグブックの恐れの棚卸しは、第5章「どうやればうまくいくのか」の67ページと68ページにあります。恨みの棚卸しと、人間関係の見直しとのあいだにはさまれた、短い数段落です。短いけれど、小さくはありません。本は、恐れをことさらに強い言葉で紹介しています。「それは邪悪で、蝕んでいく糸であり、私たちの存在という織物は、それに貫かれていた」(67ページ)。飲酒、そして嘘、隠しごと、大言壮語を、実際には何が突き動かしていたのかについて、正直になったことがあるなら、本が恐れに独自の見直しを設けた理由がわかるはずです。

手順を、ひとつずつ

指示は、思ったよりも簡素です。「私たちは自分の恐れを徹底して見直した。それに関わる恨みがなくても、恐れを紙に書き出した」(68ページ)。最後の一節が大切です。恨みの棚卸しでは、項目を重ねるごとに、その下に恐れが潜んでいることにすでに気づいていました。ここで本は、それだけで成り立っている恐れを書き出させます。仕事、結婚、健康、立場を失う恐れ、正体を暴かれる恐れ、ひとりぼっちになる恐れ。紙の上に、ひとつずつ、名前をつけて。恐れは暗がりでいちばん働くもので、棚卸しとは、ただ明かりをつける行為なのです。

そして、一覧を棚卸しに変える問いが来ます。「私たちは、なぜそれを抱えているのかを自問した。それは、自分だけを頼りにすることが私たちを裏切ったからではなかったか?」(68ページ)。私たちは、自分の力、自分の賢さ、自分の計画で人生を切り盛りしてきましたが、見返りは減り続けていました。自分だけを頼りにすることが戦略で、恐れはその領収書でした。本は、自分だけを頼ることも、それなりの範囲では良かったが、十分に遠くまでは届かなかった、と認めています。賭けるのがすべてで、手持ちの資金が自分だけなら、恐れは単なる正直な算術です。

本が差し出す処方箋

恐れの棚卸しは、洞察で終わるのではなく、足場の変化で終わります。「私たちはいま、別の土台の上に立っている。神を信頼し、神に頼るという土台である」(68ページ)。どんな脅威にも耐えられるほど大きくなれと自分に求める代わりに、結果を自分より大きなものに委ねます。実際的な祈りが、本文にそのままあります。「私たちは、恐れを取り除き、神が私たちにあってほしいと願う姿へと私たちの関心を向けてくださるよう、神に求める」(68ページ)。この祈りの向きに注目してください。失うのを恐れているものに向かうのではなく、自分がこれからなりうる姿に向かっています。そして、この作業について本が約束していることは、すぐに現れ、しかも控えめです。「すぐに、私たちは恐れを乗り越えて成長しはじめる」(68ページ)。はじめる、です。毎日更新される始まりであって、稲妻のような治療ではありません。

今日、これに取り組む

ステップ4に取り組んでいるなら、新しい紙を用意して、名前をつけられるかぎりの恐れを書き出してください。恨みにつながるかどうかは問いません。それぞれの横に、本の問いを書きます。なぜ自分はこれを抱えているのか。自分だけを頼りにしてきた結果、実際にはどうなったのか。それから、一覧のそれぞれの恐れについて、68ページの祈りをささげ、ステップ5で分かち合うときに、紙全体をスポンサーのところへ持っていきます。多くの人が、恐れの締めつけが本当にゆるんだのは、あの一度の正直な会話からだと言います。約束も、本の後ろのほうでこの作業に立ち返っています。「人への恐れや経済的な不安は去っていく」(84ページ)。昔の恐れは、まだ戸をたたくかもしれません。違うのは、その戸に、もうひとりで応じなくてよいということです。

— 英語版『Alcoholics Anonymous』(ビッグブック)第4版:第5章「どうやればうまくいくのか」67~68ページ(恐れの棚卸しと68ページの祈り)、第6章「行動に移す」84ページ(恐れについての約束)

すぐにわかる答え

ビッグブックの恐れの棚卸しは、どこにありますか?

英語版『Alcoholics Anonymous』第4版の第5章「どうやればうまくいくのか」の67~68ページです。恨みの棚卸しの指示のすぐ後にあり、同じように紙に書き出すやり方をとります。「私たちは自分の恐れを徹底して見直した。それを紙に書き出した」(68ページ)。

ビッグブックの恐れの棚卸しは、どうやればよいですか?

名前をつけられるかぎりの恐れを、紙に書き出します。恨みが結びついていないものも含めてです(68ページ)。それぞれについて、本そのものの問いを問います。なぜ自分はこれを抱えているのか。それは自分だけを頼りにすることが自分を裏切ったからではなかったか。それから、その恐れが取り除かれ、神が自分にあってほしいと願う姿へ関心が向けられるよう祈り(68ページ)、ステップ5でスポンサーと一緒に一覧を見直します。

ビッグブックは、恐れについて何と言っていますか?

恐れを、私たちの存在という織物を貫く「邪悪で、蝕んでいく糸」と呼び(67ページ)、恨みの単なる症状ではなく、独自の見直しに値する根本の問題として扱っています。提案されている処方箋は足場の変化で、自分を頼りにすることから、神を信頼することへと移ります(68ページ)。

恐れは、本当になくなることがありますか?

本は、私たちが「すぐに」恐れを乗り越えて成長しはじめると述べています(68ページ)。毎日の実践とともに育つ始まりです。のちにステップ9の約束のなかで、はっきりこう述べています。「人への恐れや経済的な不安は去っていく」(84ページ)。

これはRecovery Einsteinが独自に作った、ビッグブックの学習ガイドです。独立した教育用の資料であり、AAの公式の文献でも、医療上の助言でもありません。ページの参照は、英語版『Alcoholics Anonymous』(ビッグブック)第4版のものです。危機的な状況にあるときは、日本では、いのちの電話(0120-783-556、無料・毎日16:00~21:00)やよりそいホットライン(0120-279-338、無料)に電話してください。命に危険があるときは119番へ。アメリカ・カナダでは988(Suicide & Crisis Lifeline)に電話し、日本語の通訳を頼んでください。