ビッグブックは「stick with the winners」(勝者についていく)と言っていますか?
このページのAAの文献からの引用のうち、12のステップ、12の伝統(短いものと長文のもの)、12の概念の短いかたち、AAの序文は、AA日本ゼネラルサービス(JSO)が公開している日本語です。ビッグブックの本文、祈り、12の概念の長いかたち、そのほかのAAの文献や歴史書からの引用の日本語は、AAの英語の原文からの私たちの翻訳で、AAが出版した日本語訳ではありません。英語で読む
ひとことで言うと:
- いいえ。この言葉は、ビッグブックにも、私たちのほかの資料のどこにもなく、プログラムの本文には「winners」という言葉が一度も出てきません。
- プログラム本文は、飲まずにいるメンバーを逆の方向へ向かわせています。まだ飲んでいて、「とても病んでいる」男のほうへ(英語版89ページ)、そして、そこで役に立てるなら「地上でもっとも汚れた惨めな場所」へさえ(102ページ)。
- 本は、回復した人たちに新しい人が助けられる様子を描いており、一緒に取り組んでくれない人を追いかけて時間を無駄にしてはならないとも述べています(英語版96ページ)。しかし本が描いているのは、「誰であれ、信用を失いすぎたり、落ちぶれすぎたりして、心から歓迎されないということはない――本気であるなら」(161ページ)という共同体であって、勝者と敗者に分けられた集まりではありません。
検索の結果
すべての出典を、ページの切れ目をつないだうえで、英語の「winner(s)」「stick with」「stick around」「old-timers」「successful」で検索しました。この言い回しは出てきません。英語の「Winner」が出てくるのは、体験談の題名「Winner Takes All」(勝者がすべてを得る)(第2部、英語版375ページ)と、歴史書のなかの無関係な意味のときだけです。
プログラムの本文が、メンバーを向かわせる先
第7章は、メッセージを運ぶ章であり、病んでいる人に向かっていく章です:
- 回復したいと願う飲む人を、医師、牧師、病院を通じて探します(英語版89ページ)。「彼らがとても病んでいることを忘れないでほしい。」(89ページ)。
- 「彼がまだ神経が高ぶっているうちに訪ねるとよい。」(英語版91ページ)。
- 「必要なら毎日、善きサマリア人のようにふるまわなければならない。」(英語版97ページ)。そのために「警察裁判所、サナトリウム、病院、刑務所、精神病院」へ足を運びます(97ページ)。
- 「あなたの今の仕事は、他の人に最大限役立てる場所にいることである。だから、役に立てるなら、どこへ行くこともためらってはならない。」(英語版102ページ)。
章はまた、飲まずにいるメンバーとの交わりが大切だと述べています。「新しい人たちと、そして私たち同士が頻繁に触れ合うことが、私たちの生活の明るい光である。」(英語版89ページ)。そして「たくさんの友人」を約束しています(89ページ)。
本文がこの言葉に近い箇所
この言い回しの意味の一部は、本文のなかにあります:
- 回復した人たちから学ぶ。新しい人の注意は、「回復した人として」のメンバーに向けられ(英語版90ページ)、その近づき方がうまくいくのは、助ける側が同じ困難を経験していて、「明らかに、自分が何を語っているのかをわかっている」からです(18ページ)。第11章では、新しい人は、「経験が自分のものとぴったり一致する」男の話を聞いて、「完全に降伏した」のです(160ページ)。
- やろうとしない人のそばにとどまらない。「あなたと取り組むことができない、あるいは取り組もうとしない人を追いかけ続けるのは、時間の無駄だと私たちは気づく。」(英語版96ページ)。しかし同じ段落の指示は、別の飲む人を探すことです。「別のアルコホーリクを探して、もう一度やってみよう。」(96ページ)。それは助ける側がどこに力を注ぐかという話であって、誰との付き合いが自分を守ってくれるかという話ではありません。
本文が、誰に居場所があるかについて述べていること
第11章は初期の集まりを描いています。「誰であれ、信用を失いすぎたり、落ちぶれすぎたりして、心から歓迎されないということはない――本気であるなら。」(英語版161ページ)。「社会的な地位の差、つまらない競い合いや嫉妬――そうしたものは笑い飛ばされる。」(161ページ)。新しい人を引きつけたのは、「いかなる種類の不寛容もないこと」でした(160ページ)。
ビル・Wの1946年のグレープバインのメンバーシップについてのエッセイは、さらに踏み込んでいます。スリップする人、物乞いをする人、反抗する人、ひんしゅくを買う人については、「私たちは、彼らを脅威ではなく、むしろ教師と見なすようになってきた。」(P-17)。そのなかの何人かは、彼によれば「私たちの最も尊敬され、最も愛される存在になった」(P-17)。
これは何を意味するか
この言い回しが「あなたがほしいものを持っている人から学ぼう」という意味なら、本文はそれに近いものです。第5章の最初のページは、「私たちが手にしているものを自分も欲しいと心に決め」た読者に語りかけており(英語版58ページ)、新しい人は、回復した男の話に助けられます。「成功した人と付き合い、苦労している人を避けよう」という意味なら、1939年版の本文もビルの1946年の論考も、逆の方向を向いています。飲まずにいるメンバーの務めは、まだ病んでいる人のところへ行くことです。参照:「十二番目のステップの訪問」(Twelfth Step call)とは何ですか?
自分で読む
- 第7章「仲間と共に」(英語版89~103ページ):https://www.aa.org/sites/default/files/2021-11/en_bigbook_chapt7.pdf
- 第11章「未来への展望」(英語版159~164ページ):https://www.aa.org/sites/default/files/2021-11/en_bigbook_chapt11.pdf
- 第2章「解決はある」(英語版18ページ):https://www.aa.org/sites/default/files/2021-11/en_bigbook_chapt2.pdf
- P-17、「12の伝統」(「アルコホーリクス・アノニマスのメンバーとは誰か?」、1946年):https://www.aa.org/sites/default/files/literature/assets/p-17_AATraditions.pdf
出典
| 出典 | ページ | 日付 |
|---|---|---|
| 私たちが読んだ資料のすべて(検索したもの) | — | さまざま |
| 英語版『Alcoholics Anonymous』、第2章、第5章、第7章、第11章 | 18, 58, 89–102, 160–161 | 1939 |
| P-17、「Who Is a Member of Alcoholics Anonymous?」 | — | グレープバイン誌、1946年 |
Recovery Startsは独立した団体で、アルコホーリクス・アノニマスとは提携していません。引用は短く、出典を示しています。ビッグブックの著作権はA.A. World Services, Inc.に、P-17の記事の著作権はAA Grapevine, Inc.にあります。
これらのページは、AAが自ら出版した文献を全文読んだうえで、AAについての質問に答えるものです。引用はすべて、出典のページの英語の原文と一字一句照らし合わせて確認しています(日本語訳は私たちによるものです)。Recovery Startsは独立した団体で、アルコホーリクス・アノニマスとは提携していません。私たちが読んだもの、そして各資料がいつ書かれたか。