伝統7:AAは外部からの資金を受け取りますか?

このページのAAの文献からの引用のうち、12のステップ、12の伝統(短いものと長文のもの)、12の概念の短いかたち、AAの序文は、AA日本ゼネラルサービス(JSO)が公開している日本語です。ビッグブックの本文、祈り、12の概念の長いかたち、そのほかのAAの文献や歴史書からの引用の日本語は、AAの英語の原文からの私たちの翻訳で、AAが出版した日本語訳ではありません。英語で読む

ひとことで言うと:

  • 伝統7の長文のものは、AAグループは、メンバーによる自発的な献金によって完全に自立すべきだと述べています。
  • この伝統は、危険であったり賢明でなかったりするものを挙げています。AAの名前での公の募金、どこからのものであれ多額の贈り物、義務を伴うあらゆる寄付、そしてAAの目的のないままお金がたまっていくグループの金庫です。
  • ビル・Wの1946年のエッセイ「Money」は、AAが最初の数年間は外部の助けを受け、それに感謝していたことを示しています。1946年までに、AAは自分の費用を自分で払えるし、払うべきだという強い気持ちがメンバーのあいだに広がり、常任理事たちは、義務を伴う贈り物を断ることを決議していた、と彼は書いています。
  • この伝統が扱うのは、AAグループとAA全体です。メンバー自身の仕事や、メンバーが支援する慈善団体についての規則ではありません。

長文のものが述べていること(英語版564ページ)

伝統7の長文のものは、次の順に五つのことを述べています:

  1. メンバーが払う。グループは「そのメンバーによる自発的な献金だけで完全に自立すべきである」とされています(英語版564ページ)。1946年の時点では、これはまだ目標でした。本文は、各グループが「自立を早急に達成すべきである」と述べています(564ページ)。
  2. AAの名前で、公に募金をしない。AAの名前を使って公に募金を依頼することは、グループであれ、クラブであれ、病院であれ、外部の機関であれ、誰が行っても「非常に危険」です(英語版564ページ)。
  3. 多額の贈り物も、条件つきの贈り物も受けない。「どこからのものであれ、多額の贈り物」や、「何らかの義務が生じるような寄付」を受けることは、賢明ではありません(英語版564ページ)。「どこからのものであれ」には、メンバーも含まれます。
  4. ためこまない。慎重に設定された予備金の範囲を超えて、明らかなAAの目的もないままにお金をためていくグループの資金には、「大きな懸念を抱いている」とされています(英語版564ページ)。
  5. なぜか。「財産、金銭、権威をめぐっての無益な論争ほど、私たちの霊的遺産を確実に破壊するものはないことを、経験がしばしば戒めている」からです(英語版564ページ)。

短いものの「すべてのAAグループは、外部からの寄付を辞退して、完全に自立すべきである」(英語版562ページ)は、これらすべてを一行にまとめています。

成り立ち:ビル・Wの「Money」(1946年)

はじめは、争うほどのお金がありませんでした。メンバーは家で集まり、誰かが別のアルコホーリクを経済的に助けたいなら、それは本人の問題でした(P-17、27ページ)。集まる場所、クラブ、オフィスにはお金がかかるので、これが続かないことをビルは認めています。だから本当の問題は、お金が霊的な土台を決して崩さないように、どう限りを設けるかでした(P-17、27~28ページ)。

メンバーの献金が、サービスを誠実に保ちます。献金は、メンバーシップの条件には決してなりません(P-17、28ページ)。誰も払うことを強制されないので、AAのオフィスは「決して指図できない」のです(P-17、「Money」、1946年、29ページ)。サービスが悪ければ、メンバーは払うのをやめるからです。だからこそ、メンバー自身の自発的な献金が「いずれは私たちの唯一の支え」になるべきなのです(P-17、「Money」、1946年、32ページ)。

AAは一度、外部の助けを受けましたし、そのことを述べています。「ほんの少しの外部の援助が切実に必要だった」時期がありました(P-17、「Money」、1946年、33ページ)。友人たちの贈り物が、アルコホーリク財団、『Alcoholics Anonymous』という本、そしてゼネラル・オフィスを可能にし、ビルは、AAがその感謝を忘れることは決してないと書いています(P-17、33ページ)。

それが変わった理由。1946年までにAAには、生計を立てている何千人ものメンバーがいて、AAは自分で自分を支えるべきだという強い気持ちが広がりました(P-17、33ページ)。公のお金は、それを必要としている研究、病院、教育に回してもらえばよい、というのがビルの考えです。「私たちは自分の費用を自分で払うことができるし、払うべきである」(P-17、「Money」、1946年、34ページ)。

何が当てはまり、何が当てはまらないか。アルコホーリクでない友人が帽子に1ドル入れることは、自立の例外とはほとんど言えません(P-17、34ページ)。問題にされているのは「多額の寄付、特に将来の義務を伴いかねないもの」(P-17、「Money」、1946年、34ページ)、遺言でAAに残されるお金、AAの名前での公の募金、そして「ウェット」あるいは「ドライ」な出どころのお金です。最後のものは、AAをアルコールをめぐる論争に引きずり込むことになります(P-17、34ページ)。ビルは、裕福なメンバーからの多額の贈り物にさえ疑問を投げかけます。グループは彼に借りがあると感じないだろうか、彼は自分が飲まないでいることを買ったと思うのではないか、と(P-17、34ページ)。彼の結論は、「どこからのものであれ、多額の寄付を受け入れることは非常に疑わしい」というものです(P-17、「Money」、1946年、34ページ)。

常任理事たちの決定。ビルは、アルコホーリク財団の常任理事たちがちょうど、わずかでも義務を伴う贈り物と、商業的な出どころから申し出られる収益をすべて断ることを決議したと報告しています。AAの映画に関心をもつ映画会社からのお金も含まれ、その理由は「AAには売るものは何もない」からです(P-17、「Money」、1946年、35ページ)。

本文が述べていないこと

長文の伝統が縛るのは、AAグループとAA自身のサービスです。メンバーに、生計を立てるな、ほかの活動に寄付するな、外部のお金を受け取る組織で働くな、と言っているわけではありません。ビルが一貫して気にかけているのは、AAの名前とAAの金庫です。

長文のものは、多額の贈り物や義務の伴う贈り物は「賢明ではない」、公への募金は「非常に危険」だと述べています(英語版564ページ)。「外部からの寄付を辞退して」というきっぱりした言い方は、短いものにあります(562ページ)。

のちの文書との比較(年代が新しいもの)

「The Twelve Traditions Illustrated」(P-43、1971年、2023年更新)は、AAがメンバーの毎年の寄付額や遺言で残せる額に上限を設けていると付け加えています。「私たちの誰も、AAの中で影響力を買うことができないようにするため」です(P-43、1971年、「The Seventh Tradition」)。この上限は後の慣行であり、1946年の文面の一部ではありません。

自分で読む

出典

出典 ページ 初出
12の伝統、長文のもの、伝統7(ビッグブック付録I) 564 AAグレープバイン誌、1946年。ビッグブックには1955年から
12の伝統、短いもの 562 1950年まで
ビル・W、「Money」(P-17) 27–35 AAグレープバイン、1946年
P-43、「The Twelve Traditions Illustrated」 伝統7 © 1971(2023年更新)

ビッグブックのページ番号は英語版第4版(2001年)のものです。P-17のページ番号はパンフレットに印刷されている番号(© 2019)で、aa.orgの無料PDFと一致します。

Recovery Startsは独立した団体で、アルコホーリクス・アノニマスとは提携していません。引用は短く、出典を示しています。ビッグブックとP-43の著作権はA.A. World Services, Inc.に、P-17の記事の著作権はAA Grapevine, Inc.にあり、AAワールドサービス社が転載しています。

これらのページは、AAが自ら出版した文献を全文読んだうえで、AAについての質問に答えるものです。引用はすべて、出典のページの英語の原文と一字一句照らし合わせて確認しています(日本語訳は私たちによるものです)。Recovery Startsは独立した団体で、アルコホーリクス・アノニマスとは提携していません。私たちが読んだもの、そして各資料がいつ書かれたか。