断られた夜
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毎日の伝統・8月2日
1937年のことです。ビルは一文なしで、ロイスはデパートで働き、クリントン通りの家は、下宿代を払わないアルコホーリクたちでいっぱいでした。ビルが飲まなくなった病院の持ち主、チャーリー・タウンズが彼を呼び、申し出をします。「事務所を用意しよう。相応の手当も、利益のかなりの分け前も。私の提案は、まったく倫理にかなっている」。そして決め手の一言。「素人のセラピストになれるし、この業界の誰よりも成功できる」。ビルは自分がそれを超越した人間であるふりはしませんでした。「素人のセラピストになることには、何の問題もなかった」。彼はロイスのことを考えました。債権者のことを考えました。帰りの地下鉄で、導きのように一節が浮かびました。「働く者がその報酬を受けるのは当然である」。彼の心は決まりました。そして彼はグループに話しました。みんな黙って座っていました。やがて一人が口を開きました。「チャーリーの提案は倫理にかなっているとあなたは言う。たしかに倫理的だ。だが、われわれの持っているものは倫理だけでは動かない。もっとましでなければならない」。そして最後にこう言いました。「これは生きるか死ぬかの問題だ、ビル。最上のものでなければ、役に立たない」。誰かが彼自身の言葉を思い出させました。「ときには、良いものは最上のものの敵になる」。ビルはのちにこう書いています。みんなで決めたメンバーたちの判断は、彼自身の導きよりも上にあったのです。「こうしてグループの良心は語った。グループが正しく、私が間違っていた。地下鉄で聞こえた声は、神の声ではなかった」。事務所が借りられることはありませんでした。伝統8は、誰かがふと思いついた考えではありません。あの居間に残った傷跡なのです。
その申し出は倫理にかなっていました。そしてグループは、倫理にかなっているだけでは基準にならないと彼に告げました。私の人生で、良いことが最上のことの敵になったのはいつでしょうか?
根拠:『アルコホーリクス・アノニマス 成年に達する』(タウンズの申し出、グループの良心)、P-43。
伝統8
「アルコホーリクス・アノニマスは、あくまでも職業化されずアマチュアでなければならない。ただ、サービスセンターのようなところでは、業務に従事する人を雇うことができる。」
そして、はっきり区別しておきたいことがあります。伝統は運営のための原則であって、神学ではありません。伝統が縛るのはAAのグループと共同体であり、個人や外部の事業者ではありません。伝統は1950年に、AAが誰かに所有されたり取り込まれたりしないように採択されました。あなたの私生活のための規則集ではありません。
毎日の伝統は、Recovery Startsが提供する独立した教育用の資料です。AAの公式な文献ではなく、Alcoholics Anonymous World Services(AAワールドサービス社)とは関係がなく、医療上の助言でもありません。12の伝統はAAに帰属するものです。ページの表記は、『Alcoholics Anonymous』(ビッグブック)英語版第4版のもので、短いものは561~562ページ、長文のものは563~566ページです。危機的な状況にあるときは、日本では、いのちの電話(0120-783-556、無料・毎日16:00~21:00)やよりそいホットライン(0120-279-338、無料)に電話してください。命に危険があるときは119番へ。アメリカ・カナダでは988(Suicide & Crisis Lifeline)に電話し、日本語の通訳を頼んでください。