ビッグブックは治療施設を推奨していますか?

このページのAAの文献からの引用のうち、12のステップ、12の伝統(短いものと長文のもの)、12の概念の短いかたち、AAの序文は、AA日本ゼネラルサービス(JSO)が公開している日本語です。ビッグブックの本文、祈り、12の概念の長いかたち、そのほかのAAの文献や歴史書からの引用の日本語は、AAの英語の原文からの私たちの翻訳で、AAが出版した日本語訳ではありません。英語で読む

ひとことで言うと:

  • いいえ。「治療施設」や「リハビリ」という言葉は、ビッグブックのプログラムの本文には出てきません。第4版の個人の物語のいくつかに、その書き手たちが経験したことの一部として出てくるだけです。行くように言われた書き手が一人いましたが、行きませんでした。
  • 1939年の本文は、医療の助けを、それにふさわしい場面で支持しています。「ひどく神経過敏か、頭が朦朧としている」飲酒者には入院を勧めています(xxviページ)。飲み騒いだばかりの人には、身体的な治療を「望ましく、さらには欠かせない」としながらも、「全体像のほんの一部」にすぎないとしています(英語版143ページ)。AAに協力してくれた病院と医師については、温かく述べています(162ページ)。
  • アルコホーリクを実際に回復させるのは、医療そのものではなく、霊的な変化とほかのアルコホーリクとの関わりだと、本は述べています(xxixページ、英語版89ページ、143ページ)。ただ、初期のメンバーの多くにとって、それは病院の壁の中で始まりました(162ページ)。
  • 伝統は、AAと病院を切り離しています。病院や「回復のための施設」は、「医療面からの指導を受けながらAAメンバー以外の者が運営するほうがうまくいく」とされ、協力は「明らかな事実であれ、暗黙のうちであれ、帰属したり、保証をし合ったりするところまで」いってはなりません(英語版564ページ)。

検索の結果

最初の164ページ、序文、付録では、「治療」は、医師や病院による飲酒者のケアを意味します。AAに代わるプログラムを意味することは一度もありません。「治療施設」や「リハビリ」という言葉は、そこにはまったく出てきません。出てくるのは第2部と第3部の個人の物語だけで、これらは第4版(2001年)当時のメンバーを反映しています。いくつか例を挙げます。

  • ある書き手は治療施設に送られ、それが「私をビッグブックに引き合わせてくれた」と述べています(英語版498ページ)。
  • 別の書き手はこう書いています。「当時、私は治療施設に何の反感も持っていなかったし、今も持っていない」(英語版315ページ)。
  • また別の書き手は、治療施設に入るよう言われて、こう書いています。「私はリハビリ施設には行かなかった」(英語版425ページ)。
  • さらに別の書き手は、父親が飲んでいたころには「治療施設などなかった」と述べています(英語版513ページ)。

これらは個人の体験であり、「その人自身の言葉で、その人自身の視点から」語られたものです(英語版29ページ)。プログラムの本文が治療施設について何かを述べていることにはなりません。

1939年の本文が医療的な助けについて述べていること

ビッグブックは、医師や病院に反対しているのではありません。この本を紹介したのは、アルコホーリクのための病院を運営していたシルクワース医師でした(xxv~xxviiページ)。ビル・Wは病院でソブラエティを得ましたが、そこでは「治療が賢明に思えた。私に振戦せん妄の兆候が出ていたからである」(英語版13ページ)。本文は次のとおりです。

  • 入院を勧める。ひどく神経過敏か、頭が朦朧としている飲酒者には、近づく前に頭がはっきりするよう入院を勧めます(xxviページ)。
  • 医師や病院を使って、飲酒者を見つける。メンバーは、「医師、牧師、司祭、病院」に尋ねることで、回復を望む飲酒者を見つけることができます(英語版89ページ)。家族を通すよりも、「医師や施設を通して近づくほうが見込みがある」のです(91ページ)。「相手に入院が必要なら、入院させるべきである」(91ページ)。
  • 身体的な治療を最初の一歩として扱う。「雇用者へ」では、まだ飲んでいる人や飲み騒いだばかりの人には、「ある程度の身体的な治療が望ましく、さらには欠かせない」とされています(英語版143ページ)。「腕のよい医師の手にかかれば、これに時間がかかることはめったになく、費用もそれほどかからない」(143ページ)。
  • 病院に感謝する。第11章は、東部の「アルコール依存と薬物依存を治療する有名な病院」を描いています。その病院の医師は、霊的な土台の上で回復できる患者にAAを勧めます。「元患者である私たちの多くが、手助けしにそこへ行く」のです(英語版162ページ)。

治療にできないと述べていること

同じページは、その限界についても率直です。

  • 「身体的な治療は全体像のほんの一部にすぎない。」本人は「心の変化を経なければならない」(英語版143ページ)。
  • シルクワース医師:渇望は、「私たちが知るどんな治療によっても、永久に取り除かれたことはない」(xxxページ)、そして医師たちは「問題全体にほとんど影響を及ぼしてこなかった」(xxixページ)。回復には「心理の全面的な変化」が必要です(xxixページ)。
  • この本の初期のメンバー自身も、「保養農場やサナトリウム」や、自発的な収容を試みましたが、うまくいきませんでした(英語版31ページ)。ある男性は「サナトリウムからサナトリウムへと右往左往した」のです(26ページ)。
  • 本が示す出口は、ステップと、第7章の活動です。実際の経験が示すところでは、「ほかのアルコホーリクと徹底して関わることほど、飲酒から身を守ってくれるものはない」と述べています(英語版89ページ)。

伝統

伝統の長文のもの(1946年に書かれ、1955年からビッグブックに印刷)が、AA自身についての問いに答えています。

  • 伝統6:クラブや病院は別個に法人化し、AAの名称を用いてはならず、病院や回復のための施設は「医療面からの指導を受けながらAAメンバー以外の者が運営するほうがうまくいく」(英語版564ページ)。「AAグループは誰とでも協力するが、しかしその協力関係は、明らかな事実であれ、暗黙のうちであれ、帰属したり、保証をし合ったりするところまではいくべきでない」(564ページ)。
  • 短いもの:AAグループは「どのような関連施設や外部の事業にも、その活動を支持したり、資金を提供したり、AAの名前を貸したりすべきではない」(英語版562ページ)。
  • 伝統8:「ここでいう職業とは、料金を取って、あるいは給与をもらって、アルコホーリクをカウンセリングすることをいう」(英語版564ページ)、そしてAAの十二番目のステップ活動に、決して報酬が支払われることはありません(564~565ページ)。

「再版にあたって」(1955年)は、その立場をまとめています。AAは「特定の医学的見解をとることはないが、医療に携わる人たちとは広く協力している」(xxページ)、そして「アルコホーリク自身の治療について、私たちが独占権を持っているわけでは決してない」(xxiページ)。

これは何を意味するか

ビッグブックは、治療施設を推薦してはいません。1939年の本文は、アルコホーリクを治療し、AAに協力したある病院について温かく述べていますが(英語版162ページ)、それはプログラムの代わりではなく、メンバーが手助けに出向き、神を見いだした場所としてです。その後に書かれた伝統は、AAグループにそのような施設を推薦したり、提携したりしてはならないと述べています(562ページ、564ページ)。本が推薦しているのは、飲酒者の頭をはっきりさせるための、短く実際的な医療的ケアであり、そのあとに霊的なプログラムと、アルコホーリクどうしの関わりが続きます。病院に入っていることを回復そのものとして扱ってはいません。

自分で読む

出典

出典 ページ 日付
英語版『Alcoholics Anonymous』、第4版の本文全体(検索したもの) — 1939年の本文。第4版は2001年
「医師の意見」 xxv~xxx 1939
第1章、第2章、第3章、第7章、第10章、第11章 13, 26, 29, 31, 89–91, 143, 162 1939
12の伝統、短いものと長文のもの(付録I) 562–565 長文のものは1946年;短いものは1950年まで;ビッグブックには1955年から
再版にあたって xx~xxi 1955
個人の物語 第2部と第3部 315, 425, 498, 513 第4版(2001年)にある

Recovery Startsは独立した団体で、アルコホーリクス・アノニマスとは提携していません。引用は短く、出典を示しています。ビッグブックの著作権はA.A. World Services, Inc.にあります。

これらのページは、AAが自ら出版した文献を全文読んだうえで、AAについての質問に答えるものです。引用はすべて、出典のページの英語の原文と一字一句照らし合わせて確認しています(日本語訳は私たちによるものです)。Recovery Startsは独立した団体で、アルコホーリクス・アノニマスとは提携していません。私たちが読んだもの、そして各資料がいつ書かれたか。