夫(または妻)が飲んでいます。ビッグブックは何をするよう述べていますか?
このページのAAの文献からの引用のうち、12のステップ、12の伝統(短いものと長文のもの)、12の概念の短いかたち、AAの序文は、AA日本ゼネラルサービス(JSO)が公開している日本語です。ビッグブックの本文、祈り、12の概念の長いかたち、そのほかのAAの文献や歴史書からの引用の日本語は、AAの英語の原文からの私たちの翻訳で、AAが出版した日本語訳ではありません。英語で読む
ひとことで言うと:
- 第8章「妻たちへ」(英語版104~121ページ)が、ビッグブックの答えです。これは1939年に、メンバーの妻たちの声で、飲む男たちの妻に向けて書かれたもので(のちの歴史書は、書いたのはビル・Wだとしています)、その提案は、男性であれ女性であれ、アルコホーリクと暮らす誰にとっても「応用できる」ものです(104ページ、のちの版の注記)。
- その核心の助言は、怒らないこと、飲酒についてどうすべきかを小言で言ったり指図したりしないこと、飲酒に自分の子どもや友人との暮らしを台なしにさせないこと、そして、彼を「肺炎にかかったかのように」病人として扱うことです(英語版108ページ)。
- 「根っから悪意をもつ」夫については例外も設けています(英語版108ページ)。そういう人には、どれほど忍耐しても何も変わりません。「あなたが、夫がこのタイプだと確信しているなら、いっそ去ったほうがよいと感じるかもしれない。」(108ページ)。
- 最後は、妻自身がプログラムを試すよう強く勧めています。妻たちは、霊的な原理を実行に移すと「私たち自身の問題も解決される」ことに気づきました(英語版116ページ)。アラノンは、AAプログラムの一般的な原理を指針としていて、この章が書かれてから約13年後に生まれ、AAとはまったく別のものです(121ページ、のちの版の注記)。
誰が、誰に向けて書いたか
この章は、問題の一部は解決し、一部は解決していなかった「アルコホーリクス・アノニマスの妻たち」の声で書かれています(104ページ)。本自身は、誰がペンを執ったかを述べていません。のちの二冊の歴史書は、どちらもビル・Wが書いたとしています。「ビル自身が、のちに『妻たちへ』と呼ばれる章を書いた」(『ドクター・ボブと古き良き仲間たち』、1980年)。ロイス・Wはこう思い出しています。「ビルが書き、私は腹が立った」(『Pass It On』、1984年)。彼女は自分が書くと申し出たが、ビルは本のほかの部分と同じ文体にしたかったのです(『Pass It On』)。妻たちは、自分たちの述べることが「血のつながりや愛情の絆でアルコホーリクと結ばれたほとんどすべての人に当てはまるだろう」と書いています(104ページ)。のちの版の脚注は、この章が書かれたときAAに女性はほとんどいなかったため、飲む人は夫だと想定しているが、「ここに示された提案の多くは、女性のアルコホーリクと暮らす人を助けるために応用できる」と述べています(104ページ)。
妻たちが経験したこと(英語版104~108ページ)
冒頭のページは、妻たちが何と暮らし、どう反応したかを率直に並べています。自尊心や評判を守るための嘘、懇願、忍耐、感情の爆発、逃避、報復の浮気、孤独、「6月の雪のように溶けていった」お金(英語版106ページ)、子どもや家庭への暴力、そして最後には「保養地、サナトリウム、病院、刑務所への収容」(107ページ)。妻たちは、自分たちの過ちの多くは「アルコホリズムへの無知から生じた」と述べています(107ページ)。
主な助言
- 彼は病気です。「何を言い、何をしても、あなたのアルコホーリクの夫を責めないようにしてほしい。」(英語版108ページ)。「彼は、ただもうひとりの、とても病んだ、理不尽な人間なのだ。」(108ページ)。「できるときは、彼を肺炎にかかった人のように扱ってほしい。」(108ページ)。
- 悪意があるときを除いて。「根っから悪意をもつ男もいること、どれほど忍耐しても何も変わらないことを、私たちは承知している。」(英語版108ページ)。そうした男はこの章を「あなたの頭上に振りかざす棍棒」として使うかもしれず(108ページ)、妻はそれを許してはなりません。「あなたの人生と、あなたの子どもたちの人生を、彼に台なしにさせるのが正しいことだろうか?」(108ページ)。
- 何を相手にしているかを知る。この章は、飲む夫を4つのタイプに分けています。節度を保つか、やめることのある大酒飲み。コントロールを失い始めて、「本物のアルコホーリクの特徴」を示している男(英語版109ページ)。ずっと進んだ段階にいて、「あなたは大いに希望をもってよい」と言われる男(110ページ)。そして、家族が絶望してしまっていても、まだ回復しうる男(110ページ)です。
- 決して怒らない。「成功の第一原則は、決して怒らないことである。」(英語版111ページ)。一時的に家を離れなければならない場合でも、恨みを抱かずに出ていくべきです(111ページ)。
- 何をすべきか指図しない。「私たちの次の考えは、彼が飲酒についてどうしなければならないかを、あなたが決して彼に言うべきではないということだ。」(英語版111ページ)。彼女が小言ばかり言う人だと思われたら、助けられる見込みは「ゼロかもしれない」(111ページ)。
- あなた自身の人生。「夫の飲酒に、あなたと子どもたちや友人たちとの関係を損なわせないと決意してほしい。」(英語版111ページ)。「夫が飲み続けていても、充実した有意義な人生を送ることはできる。」(111ページ)。「夫を更生させることに心を傾けないでほしい。」(111ページ)。
- 彼が話す準備ができたとき。彼のほうから話題にするのを待ちます。本、あるいはアルコホリズムの章だけでも読むよう勧めてみます(英語版111~112ページ)。2番目のタイプの夫には、酒びたりのあと、妻のためではなく、本当にきっぱりやめたいかどうかを尋ねます(112ページ)。関心がないなら、そっとしておきます。「急がせるほど、彼の回復は遅れるかもしれない」からです(113ページ)。
- 彼のために嘘をつかない。雇用主や友人に対して彼をかばうのは避けます。「できるかぎり、夫自身に説明させる。」(英語版115ページ)。友人たちにそっと彼の病気の性質を知らせておけば、気まずさの多くはなくなります(115ページ)。
- 子どもたち。子どもを父親から守る必要がないかぎり、父親が飲んでいるあいだの、父親と子どもとの言い争いでは、どちらの味方もしないでおきます(英語版115ページ)。
- 仕事を失ったとき、それはかえって恵みとなり、彼がやめたいと思うようになる道が開けるかもしれません(英語版116ページ)。
- 収容か、危険な場合。彼がやめられない、あるいはやめようとせず、あまりに危険になったなら、「私たちは、閉じ込めておくのが親切なことだと考えるが、もちろん、いつも良い医師に相談しておくべきである」(英語版114ページ)。「しかし、ときには人生を新たに始めなければならない。」(114ページ)。
プログラムを自分で試してみる(英語版116~117ページ)
妻たちは、自分たちにも高慢さ、自己憐憫、虚栄心、利己主義があること、そして「私たちは神を必要としないほど立派だなどというのは、愚かな考えだった」ことに気づきました(英語版116ページ)。霊的な原理を実行に移すと、「それが私たち自身の問題も解決してくれることがわかる」と言います(116ページ)。「私たちのプログラムを試してみることを強く勧める」(117ページ)。
彼が飲まなくなったら(英語版117~121ページ)
すべての問題がなくなるわけではありません。この章は、彼女の愛が何年もかけてできなかったことを、「本の内容やほかのアルコホーリクの働きかけ」が数週間でやってのけたことへの恨み(英語版118ページ)、彼がほかのアルコホーリクを助けることに費やす時間への嫉妬(119ページ)、そして彼を誘惑から守ろうとすることについて、注意を促しています(120ページ)。順調な出だしのあとに彼が再飲酒(スリップ)しても、本当にやめたいと思っているなら、「場合によっては、決して悪いことではない」(120ページ)。「彼が酔っぱらっても、自分を責めないでほしい。」(120ページ)。
飲酒が止まったあとの時期については、飲酒がやんだあと、家族はどうなりますか?をご覧ください。
章を超える助け
章の終わりにあるのちの版の注記(英語版121ページ)は、この章が書かれてから約13年後に生まれ、「アルコホーリクス・アノニマスとはまったく別のもの」であるアラノン家族グループを紹介しています(121ページ)。参照:アラノンはAAの一部ですか?
自分で読む
- 第8章「妻たちへ」(英語版104~121ページ):https://www.aa.org/sites/default/files/2021-11/en_bigbook_chapt8.pdf
- 第7章「仲間と共に」(英語版89~103ページ)。メンバーが飲む人の家族とどう関わるかについて:https://www.aa.org/sites/default/files/2021-11/en_bigbook_chapt7.pdf
- 関連:ビッグブックは、飲む人の家族を助けることについて何と言っていますか?(メンバーの側) · 自分がアルコホーリクかどうか、どうすればわかりますか? · アラノンはAAの一部ですか?
出典
| 出典 | ページ | 初出 |
|---|---|---|
| 英語版『Alcoholics Anonymous』、第8章「妻たちへ」 | 104–121 | 1939 |
| 英語版『Alcoholics Anonymous』、第8章の脚注(章の前提について。アラノンについて) | 104, 121 | のちの版で追加 |
| 『ドクター・ボブと古き良き仲間たち』(この章を誰が書いたか) | — | 1980 |
| 『Pass It On』(この章を誰が書いたか) | — | 1984 |
ビッグブックのページ番号は英語版第4版(2001年)のものです。Recovery Startsは独立した団体で、アルコホーリクス・アノニマスともアラノン家族グループとも提携していません。引用は短く、出典を示しています。ビッグブックと歴史書の著作権はA.A. World Services, Inc.にあります。
これらのページは、AAが自ら出版した文献を全文読んだうえで、AAについての質問に答えるものです。引用はすべて、出典のページの英語の原文と一字一句照らし合わせて確認しています(日本語訳は私たちによるものです)。Recovery Startsは独立した団体で、アルコホーリクス・アノニマスとは提携していません。私たちが読んだもの、そして各資料がいつ書かれたか。